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2012年2月

積み木が笑う。


積み上げてきたブロックは

実は凍った糸の柱でできた積み木だったんだ

どおりで軽いと思ったよ

積み上げるのも簡単だったさ


でも

ちょいとそいつに躓いて

あっという間に シャラ シャララ・・・

笑いながら全部崩れて

溶けたと思ったら蒸発しちまった


さぁて また積み直しか なんてタメ息ついてさ

ついで口をとんがらせて

「ちぇっ」

と ひとつ毒づくんだ



自分の頭に跳ね返ったそいつが

コツン と少し痛かった。


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湯気。

炊きたての

ごはんの湯気が

甘えたがりの猫のように

ジャレついてくるから

ついつい食べ過ぎてしまうんだ


なんて


ヘンテコリンで

嬉しい言い訳を

笑って言えたらいいね。

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溶けてしまった詩(ウタ)

昨日

眠りに落ちながら

詩を思いついたんだ

最初から最後まで流れがある詩

その感覚だけ残して

落ち込んでゆく眠りの中にそれは溶けてしまった


優しくなれる詩だったろうか

少し切ない詩だったろうか


できれば優しさが溶けて自分の中で眠っていればいいと思う

切なさもずっと眠りにつくのなら溶けていってよかったんだろう


眠りながら見る夢は

知らないうちに僕の奥底に少し色を加えていっているんだね。

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「大丈夫だよ。」

自分に囁く

「大丈夫だよ。」

ほど 当てにならないものはないね


だからって

誰にでもいわれたいわけじゃない


「大丈夫だよ。」

あなた そう言ってくれるなら

一緒にその手を私の背中にのせてください


鼻をツーンとさせながら

私 黙って頷くから             ね。

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結露。

心に窓があるのなら
その内側は結露して
糸を引いて垂れていく


           乾いた言葉の裏側に
           伝えられない温度があるから
           音も立てずに垂れていく


                          切ないのは
                          何か足りなかった今日


                悔しいのは
                自分を落っことした昨日


   怒るも笑うも泣くも
   どんなだろうか明日                            

                いつだって知りたがり
                刹那を積み重ねた何時かの自身



そして いつか
瞳の結露
実る。

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猫背のココロ

息を脳味噌の天辺まで吸い上げて

薄曇りの空を通してしぶとく見える星一つ


首がキシキシ悲鳴を上げるほど

どれほど乾燥していても夜の風は水の流れを含んで


痛みで体も丸まっていたけど

ココロまで猫背になっていたことにチョイと気づく


口から吹き出した煙草の煙もあの曇り空に混ぜてもらって



今度はやはり悲鳴を上げるほど背中を反らしてみる



こめかみに針をさしたような毎日 そのうえ そこを左手で押し込んでいたんだ

さらにココロの背中が丸まるように




風邪ひいた?

なら クシャミして笑ってしまおう

何かが吹き飛んでいけばいい




猫背のままじゃココロの天辺まで酸素が届かないよ

それはタチの悪い酔っぱらいより酷いことさ




瞬間で変わっていくココロなら

せめて息くらいはしていなくっちゃ






泣くのも 笑うのも 怒るのも 悲しむのも

万物に呼吸のリズムがあり

僕だけの呼吸もやはりあって

ココロの背骨をシャンと伸ばしてからじゃないと

いつか停ってしまうだろうから




まだまだ

これから




それでも いつか。








今は破綻したココロも

核が渦巻いて重力を作っていれば

集まってくる


僕の中に宇宙がある限り

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『乖離』


娘 放課後

肘をつき顎に手をあて窓の外を眺めている

無言 顔をてらす光は薄暗く色づいていこうとしている



互いの手首を握り合い 互いに引き離そうとしている

母娘 制御できない高い声

茶色の古い箪笥の上で ガラスケースの中の人形が揺れる



手作りのコロッケ 

父はまだ帰ってこない

煮詰まった味噌汁の鍋が蓋をカタカタ鳴らす

少しだけ食器の音がした後は
一筋のソースがかけられたまま冷えていく食事

そして椅子の音








娘 机から顔を上げる

残っている書類 片手だけで伸びをして壁の時計を見る

窓の外には隣のビルにも灯りがともる

ため息ひとつ 着替えるために席を立つ



母 買い物帰り

夫の好物の刺身 自分のためのおかずを用意する気もなく

帰れば二人分のご飯は炊けている

いつもより遅い時間 空を見上げても星も月もなく




娘 駅に向かう

母 駅から出る





下を向いて歩く 人にぶつからないようにだけ注意して

道に規則正しく並んだ街灯が二人に3本の影をつくる

すれ違っても重なり合ったのは影だけ



母 鍵を開ける

娘 電気をつける

いつだって暗い部屋に電気をつけるのは自分





娘 キッチンに立つ

母 台所に立つ



とん とん とん・・・・

ネギを刻む手がふと止まり




娘 狭いリビングを見渡す

母 目の前の磨りガラスを見つめる






答えるものは何もない


そしてまた手を動かし始める




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夕暮れ前 植物園

夕暮れ前

少し擦るような僕の足音

ほとんど葉を落とした木々たちはもうすっかり備えをすましている


かさ かさかさかさ・・・

囁きあうような残された葉たち


去年ドングリを拾ったクヌギの下には今はもう見当たらない

誰かに拾われてしまったのか それとも土に潜り やはり冬の備えにはいったのか

僕の好きな翁草もいつもところにその姿はなく静かな眠りについている


かさ かさかさ・・・

遠くからコロニーに戻る鷺たちの声が響いてくる

足元で小さな花を咲かせている野路菊たちも もう少しすれば眠りにつくのだろう


木々の囁きも少しづつ小さくなり

それはかえって

『なにも探さなくていいよ』

『なにも見つけなくてもいいんだよ』

そう言ってくれているようだ


擦るような僕の足音

遠く 遠くなっていく光

今日の音もまた 眠りにつこうとしているのだろう

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どうして生きているの?

どうして生きているの?




生きるための理由付けなんてどれだけだってできる

数え上げることだって容易いのも分かってる


そして

頭では納得しても 心が納得していないことも


生きていくためには理由や言い訳じゃなく

本当は生きたいという自らが発する目的や意志こそが必要だということも


どうして0か100、〇か×かを決めたがるの?



その途中にあるものの方が多いことを知ってるくせに

そしてモノポールの結末など無いと奥底では感じているくせに


楽になりたいんだね

カンニングをしてでも答えが早く知りたいんだ

結論さえでれば全てが終われると思い込みたいから




どうして

それを考えてしまうのだろう?

それを決めてしまいたがるのだろう?




考えては

思っては

いけないと分かっている時ほど


どうして




どうして・・・・・。



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「また明日。」が言えなくて。


自分がヤな奴になった日

そんな日も必要なのかもしれないけれど



私に向かって

誰かに向かって

「また明日。」って言えないことに気づいた

口に出して

心の中でも



そうか

「また明日。」って

今日の自分を認めて

明日につなげる言葉だったんだね




明日は

そう呟けるといいな。

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バベルの葦原

今日の葦はポッキリ折れた

日常に積み重ねられた時間の重さ


それでも経た年月だけ

葦原はひろがって

水の下でつながる世界では

無数の心が生まれ 過ごし 死んでいく



明日の葦はどうだろう

その傍の根元には

いつかの葦が芽吹こうとしている


傷つきながら 折れながら

それでも天に向かって伸びようと

まるでかつてのバベルのように

図々しいまでに

図々しいままで

まだ生きることを



多分 世界は赦している。

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腐敗力。

それは緩みあれば芽吹こうと

静かに静かに待っている

もう種は熟して無数の地雷のように眠ったふりをしている


毎日を掻き鳴らす綱渡りの音楽に

楽器の絃は少しずつ絞められていく

同時に同じ力で緩もうともしているのだ


綱渡りの基点で音楽は止む

一息をつき  柱に自身を預け 己自身を眠りという停止に置けば

音も無く絃は真っ直ぐな自分を取り戻そうと主人の意に反した働きをする

音は半音も狂いはしないだろう


しかし その一瞬にその種は根を張り芽吹き 絡まりつく

そして驚くほどの成長を見せ

気付く暇なく 己が身はその柱に縛りつけられる



いや 縛りつけられる そのこと自体を知っていて何もせず むしろそれを望む心

それが一番最初に芽吹く種



自らが作り出すそれを

僕は『腐敗力』と呼び

忌み嫌い




愛している。




もっと腐っていくために。

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きちんと「さよなら」ができるように。

大切な人と話していて

嬉しいと一緒に切なくなるのは


逃れられない『いつか』に

きちんと「さようなら」を言えるか不安だからだね


もう そんな齢になったんだって

普段は互いに笑いながら

その時には しっかり泣いて別れられると


いいね。





全てをひっちゃかめっちゃか引っ括めてさ。

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認めたくない強さ。

時に

自分すらも切り捨てて

割り切るのも 強さ だろう


でも


泣いても 怒っても

理不尽に謝って 縋りついてでも

次へつながる今に

しがみつこうとすること


みっともないだろう

情けないだろう


でも それこそが

切り捨てるよりも大切な 強さ


たとえ

認めたくなくっても




それが必要なんだ。

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ただ聞いているよ。

怒りながら 心で泣いてる人がいる

伝えたいことを

伝えたくないことを隠しながら 喋るから


それがなんとなく分かってしまえば

今は黙って聞くしかないじゃない


背負うものの重さ

守ろうとするからこその激情


それに応えられない悲しさと不甲斐なさも

私の内にあるから


今はただ

ただ黙って聞いているよ。





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怒らないのは 怖いから。

私が滅多に怒らないのは

決して優しいからじゃない

決して強いからじゃない


振り下ろした その拳が

必ず鋼鉄の金槌に変わって

私の心を粉々にしてしまうから


粉々になった心を

練り直すのが面倒だし

直ったと思っても どこかイビツになってしまうし

肝心なとこが欠けて無くなってしまったりもするし




ああ そうなのだ


私が滅多に怒らないのは

その 私の怠惰 故



その 私の弱さ 也


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甘い嘘。

メディアというフィルターを通して

抽出された甘い嘘


私のどこかのフィルターを通したとき

それは毒にも薬にも変わる


溢れる涙と笑顔が副作用でも

それが心のチャンネルを回すなら

それはどこかに本当の共感を含んで


数瞬だけもう少しだけ歩こうと思えるなら

私にとって大事な似非だろう



その先が

たとえ行き止まりであっても



いつだって

許さないから



それなのに生きてるから

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空頃の小石

空頃の小石が鳴る

容れ物は僕  小石も僕


割れた穴があるから鳴る

空頃 空頃 と


詰まってしまえば音も無く

だけど大抵は殆ど漏れてしまうから


いつだって

空頃 空頃 と


小石が抜け落ちるほど

大きな穴が開くまでは

僕は 空頃 空頃・・・     と。




‘karakoro no koishi’

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蜘蛛の巣

心に張った蜘蛛の巣が

今日捕らえたのは 息をする足掻き


暴れまわって美しい蜘蛛の巣はぐちゃぐちゃになり

足掻きはその糸をその身に巻きつけていく


逃げ切れるのか それとも そこで息絶えるのか


一疋の黒い蜘蛛が大顎をガチガチ言わせながら

それをただじっと眺めている

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野の花。

野の花に

憧るるは

その美しさ故でなく


迷いなく咲く

孤高の気高さ

その知恵と逞しさ



思わず魅入ってしまうほど

そして目をそらしてしまうほど。

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ping-pong-music

腐った魚の目をして
流れていく景色を眺めている
そこに何も見つからないと信じて
臭い涙が垂れる

アスファルトに転がっている
死の欠片を懐に詰め込みながら
小石をダイスに変えて
終焉への双六のマスを進めるのは
今日に限ったことじゃない

纏う世界は優しくも厳しくもなくて
ただそう感じさせているアンテナを手折ってしまえば
もう色もないノイズだけの世界渦を巻いている
吐き気がするのはきっとそのせいだなんて
思えるほどに可笑しくなっていく僕

生臭い息を吐き
だからこそ時間にさえそっぽを向いて
先にそっぽ向かれちゃやりきれないからね
そうでなきゃもう首を振る角度すら見つけられない

ただそんな世界にだって
街角からラジオからTvから音楽だけは流れ続けていて
ピンポンのように弾むリズムは腐敗していく心にぶつかって
腐った部分を千切り飛ばして分からないほどに散り散りに誤魔化して
なんとかこの世界に僕がいることを勝手に赦している

いいさ
いいさ
そんなふうに音楽に流されて
腐った自分も忘れてしまって身を削りながら弾んでいっても
そのフレーズに意味なんてなくても
また我に返って臭い涙を流すより シャウトしながら
跳ねて転がるほうが少しは吐き気もマシになるってもんだ

懐に仕舞い込んだ死の欠片も
飛び散って またしばらく生きてなくちゃならないかもしれないけど
どうせ何時かなんて決めてないんだ
明日いいのを拾うかもしんないし


いいさ
いいさ

今ぐらいは
音楽に流されて
跳ねて
転がって
気を失って眠るまで

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なあ PIG MAN?

生温い時間を食い散らかして
俺たち豚になっていくのさ
味わうことなんて忘れてしまって
ゴムの胃袋に詰め込むだけ詰め込む
吐き出すのがもったいないから首に縄まで縛ってさ

平凡が一番で刺激ばかりを避けてきたから
用意していた絆創膏や包帯にもほらカビが生えてきたぜ
痛いの・・嫌だね
辛いの・・嫌だね
悲しい 苦しい 真っ平御免こうむるぜ
けどその向こう側にしかないもの
もうすっかり忘れちまってオートマティックに流れてくる
与えられた食事だけで満足して
そうさ生かしてもらってるって分かってるって
そんな謙虚な顔をしてそんなん劣等生とか優等生とかの前に
生きていないってこと
それにだけは目を反らしてんだ

そりゃ豚にだってなるさ
いや豚にこそ失礼だよな あいつらは食われて命を次につないでる
ぶくぶく太った有機物は味も中身もあったもんじゃない 食えたもんじゃない
当たり前だぜ そんな時間しか食ってやしねえんだから

生かされているだけの寄生虫
世界に害をなしてない痛みのないサナダムシはただ肥大して
この世界に何も創ってはいかない

なあ そんなんが最高かい?
なあ そんなんで満足なんか?

もう食えもしない豚になるのはやめようや
何も創らないサナダムシでいるのはよ

なあ PIG MAN?

せっかく生まれてきたんだ
美味い時間を食って
最後に上手く時間に骨までしゃぶられて
笑って一発世界にゲンコを食らわして

そんでもって終わりにしようや

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メロンパン。

メロンパン

メロンパン

メロンなんてはいってなくても

それでも私はメロンパンって顔をして


メロンパン

メロンパン

嘘だって分かって

それでも一口かじられて

ポロポロかけらが服におちても

なんだか笑ってメロンパン


こっそりお昼のお日さまと

友達条約でも結んでるんじゃないのかな


もしかして

メロンのかわりに

笑顔の成分がほんのちょっぴりはいってる?







明日 食べてみようかな。

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「眠っていいよ。」

眠っていいんだ と

自分に言い聞かせても

眠れない夜


その言葉

同じように眠れない君と

交換してみないかい?


気まぐれでも

偶然でも

もしかしたら が あるかもしれない


そうやって

互いの安らぎを願い合おう


ほら


「眠っていいよ。」



あとは見えない手で

背中をポンポンポンって

してあげる。


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隣り合わせ。

合わせ鏡に囲まれたように

いつも隣り合わせの

僕と僕 と 僕僕ぼくボク・・・


同じ顔 同じ表情 そして全て違う心たち

僕が君を数え切れないのは当然なんだ

僕だって僕を数え切れない


そしてどこで君と僕が交差しているのか

いつだって気がつかないままなんだ


だからいつか

どこかの世界で出会うとき

隣り合わせの僕をよろしくね



隣り合わせの君へ。

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浮塵子の言葉

私の言葉は 浮塵子の言葉だ

無数の塵が寄せ集まり

わーん と形のようなものをなしているだけ


当たっては散り しばらくしてはまたわさわさと集まって

そして いつの間にかいなくなってしまう


混沌とした動きゆえ

伝えたいことは伝わらず

ただ徒らに人を惑わせ 時に酔わす


それでも いつか

いつか種の言葉になるように

芽の出る言葉になるように

また わさわさと集まって

わーん と意味の固まらぬ声を上げるのだ

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丸フラスコ。

心の形は

きっと丸フラスコみたいになってるんじゃないかな?


どんな感情も

まだ余裕のあるうちは

透きとおった硝子の向こうに何かを見つけることができる



でも


同じ量の感情が心に中に落ちてきても

ある時を境にフラスコに溜まっていく感情の高さは急加速していく



そして


フラスコが感情の水でいっぱいになってしまえば

見通す先は湾曲して真っ直ぐにも見れず

大きく見えたり 小さく見えたり 歪んだり ぼやけたりして


足元にそっと佇んでこっちを見ている

小さな でも大切な「気づき」を

見つけることが出来なくなってしまうんだ



それが どんな透明な感情だって




だから

もう 心をいっぱいにしないで。








もし そうなっちゃったら

上手に心を傾けて

そっと感情をながしてしまおうよ。

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口を閉ざす。

割れた言葉たちが

光速で心の中を暴れまわるから

いつも以上に堅く口を閉ざすのだ


それらの唯一つでさえ

外に溢れてしまえば

押してはいけない私のスイッチを入れてしまうから


もう何度 そのスイッチを慌てて切っただろう

だけど確実にスイッチが入った時間だけ

進んだんだ 進んでいるんだ



消滅という恐い憧れに。

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終わっていくこと。

終わらせる のではなく

終わっていく のはごく自然なことなのだね


人との繋がりは呼応

響き合いがなくなれば終焉


そこに未練がましくしがみつく僕と

その僕を捨てるような目で見る私



始まりさえ同じなんだ。

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骨の檻。

「~~しなくてはならない」

「~~でなくてはならない」


そういった無数の柱が

私の周りを取り囲んで

私を檻に閉じ込める


もしかしたら

その無数の柱は極く脆いものかもしれない


それでも私は恐ろしいのだ

その柱 一本一本は

全て私の骨で出来ているから


増え続け 幾重にもなっていく檻

動ける範囲は縮まって

いつかは自身の骨に串刺しにされるのかもしれない


それでもじっとしている自分


馬鹿だ



馬鹿過ぎるよ。

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凪を待つ。

大波の甲板に
人は立っていられない

ただしがみつき
凪がくるのを待つだけ

酔いながら吐きながら
無理矢理空を見上げては
いつか陸地が見えますように と


羅針盤なんて最初から積んでなかった
今は星の位置さえ確認できない
残りの食料はどれほど残っているのだろうか?
そんなことすら調べられないまま
いまはただロープを身体に縛り付けて
甲板に這いつくばっているだけ


知らぬ間に
どこまで流されても
また帆を張る日が来るはずなんだ と

ただ ただそれだけを自分に言い聞かせて
今は凪を待っている。

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ひらひら。

ティッシュペーパーをさっと取って

縦に細く 何枚にも何十枚にも千切っていく


鼻をかむでもなく 何かを拭くでもなく

ただゴミをつくりだしているだけなのに


指の間で増えていく そのひらひら は

空っぽになってるココロのどこかを

やさしく くすぐっている


うん

そんなつかの間も ちょっといいかもしれない。

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何処へも行けない 何処へも行ける。

どれほど歩いても 走っても

飛行機に乗っても 電車に乗っても 車を走らせても

僕は何処へも行けない

メビウスの海を心は回遊して

ただぽつり 座っているだけ

一歩も動かさなくても

僕は何処へも行ける

見えない糸電話 空の名前につながっている




矛盾した自身を颱風の目から覗いて
笑っている僕の顔は歪んでいるかい?

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それでいいんじゃない。

「ナニカ」を見つけようと いつもしてる

それは自分以上の自分のもの

だから目の前に転がっていたって見てないだけだよ 見えてない

まだそれに名前をつける力がないから


でも ま いいんじゃない?

見つけられなかったからって 失ったわけじゃない

そのままの自分があるだけさ


得て あるいは 失って

いつだって その結果が「ナニカ」であるだけなんだ

見つけようとする行為の中にはそれはないのさ

生活を為していく中でいつのまにか生まれて落っこちてた「ナニカ」に

ウッカリと気がつけばいい

だってそれ位にバカだろう?


自分を「莫迦だ」って嘲笑っても

他人に「馬鹿だ」って嘲笑われても

その時には「ナニカ」は自分の手の中にある




ま それで いいじゃない。

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僕は僕の顔を忘れている。

僕はいつだって僕の顔を忘れている

どんな言葉を喋るときも

その時の声を意識することはあっても

その時の僕の表情を意識などしていない


だけどきっと

言葉以上に僕の表情は相手に色んなことを伝えている


怯え 怒り 喜び 悲しみ そして 戸惑い


鏡の中で僕同士が目を合わせあうとき

僕という他人は 僕という自分に忘れていたことを思い出させる


『僕はどんな顔が嫌いかい?』

『僕はどんな顔がお気に入りなんだい?』


色んな表情を作ってみて 改めて思うんだ

できるだけ『お気に入りの顔』で人と相対していたいって

少し垂れ目気味に微笑んでさ


特に大切な人の前では ね。







でも そんなことはすぐに忘れてしまって

そんな人にこそ『嫌な顔』を見せているってことにも

気づいてしまうんだけどね。

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一時停止。

仮初めの終わりは

いつだって簡単に訪れる


だけど


本当の終わりは

そう訪れるもんじゃない


刻み込んだ時間は

刺青のようで

私が私である限り

人生の季節を変えて

また始まることもある


今は一時停止


そう思っていいんじゃない?

次は笑って始めよう

なんて

ちょっとだけ願ってさ。



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そしたらね・・・

そしたらね・・・

その言葉のあとが続かない


でも

あなたと一緒に時間を重ねつなげていきたい

その気持ちはホントだよ


溢れすぎる気持ちが声を消してしまった

時間差で届く山びこのように届けるから

もう少し待っててね


そしたらね・・・

そしたらね・・・・・・・。




あれ?変だね

泪でちゃいそうだ。

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そのままで。

そのままで


変わろうとしても 変われないから

変わりたくなくても 変わっていくから


夜に歌

響くのは内だけに


とくと息

不思議 昼より優しいリズム


それは あなた

そこにあるから そのままで




ここにいるから  そのままで。

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どんぐり計算。

ちょっとだけ優越感

ちょっとだけ劣等感

所詮どんぐりの背比べ


少しライバル

結構身内感

それもどんぐりの背比べ



悔しさと祝福と喜びのミックスジュースが

前をすすむための意地の張り合いの材料で


節目には二人で みんなで笑えるように

どんぐりの芽をださせよう



マイナス同士は掛け算で

塵程度しか詰めない経験は足し算で

共有すれば

結構やれるかもしれないよ




僕等。

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聞こえないけど 見えないけれど。

ちょっと 疲れすぎたんだ


だから久しぶりに

お酒をゆっくり飲みながら


声に出さない笑い声

目から零れぬ涸れ泪


聞こえないけど 見えないけれど

笑いながら 泣きながら


今は

自分が分かっていればいい


頑張ったよな


そうやって


今は

自分が分かってやればいい





聞こえないけど 見えないけれど。

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迷うんだ。

迷うんだ


今日があまりに硬かったから

どうやって降ろしたらいいのか

どこへ降ろせばいいのか


いきなり どん! なんて放りだしたら

自分がひっくり返ってしまいそうで


いい日だったよ 多分


だけど そう言い終わるために

今日の終りを迷うんだ。

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僕の内弁当。

僕がお弁当だったら

中身はきっと幕ノ内だろう


でも時々

激辛毒団子や激甘チョコ天が混じってるから

気を付けて食べてよね


缶ビール

プシュ って開けてさ


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どろり。

泣くことが 心の掃除だというのなら

溢れる涙は どろり と濁っていてほしい


透明だなんて

なんだか嘘くさいじゃないか


いや もう泣かないけどね

泣けないけどね。

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溢れすぎてる。

デパートにも

ショッピングセンターにも

モノは溢れている

そして そのどれもがイツカ ダレカに必要なもの


小さな本屋にも

果てないネットにも

ジョウホウが溢れている

そして そのどれもがイツカ ダレカに必要なもの


世界の人口が増えるに比例して

イツカ ダレカ が細かくなって増え続け

ワタシ が イマ 必要なものが分からなくなってくるよ


イツカ も ダレノモノ かも間違えてしまいそうで

だからいつだってワタシは自分に問い続けるんだ


ネェ コレ ワタシ ニ ヒツヨウ?


分かるのはそれが無くても生きていれるということだけ

そして

溺れてしまわぬように私はそっと蓋を閉じてやり過ごすのだ



ネェ ソレ ホントウニ・・・・・

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溢れすぎてる。

何気なく過ごす時間が

もう二度とないことを忘れてしまうほど

時の水は私に次々と注ぎこまれて

流していってしまう


握った手のひらの温かさも

痛みに変わった怨みも後悔も

いつも傍にあると思い込んでいた笑顔も

あれほど鮮烈だった哀しみも


私の中には

時間が溢れすぎている


それに抗する術も分からぬまま

でも だからこそ生きていける


終わりまで

私は梳られて時間の中に融けてゆくのだから

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鉄の系譜。

噎せ返る鉄の匂いに

少し不安を憶えるのは

きっと

その海の中で育まれた記憶のせい


まだ境目が出来ていなかった頃の

それだけを知っているという安心


今は切り離されて別の人格

帰るのか?

帰れないのか?

どちらも入り交じっているのだろう気持ち


いずれにせよ

いつか潰える血の寿命

どこかに細くつながっていく魂の系譜

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天井を吹き飛ばして さ。

心に天井をつくってしまえば

それはどんどん降りてきて

いつしか自分の居場所を失ってしまう


雨はしのげるかもしれない

寒さも暑さも感じない体温だけの世界だろう


それでも いつか息ができなくなってしまう



さて それじゃあ自分の心を渦巻きの風に変えて

半分くらい天井を吹き飛ばしてみようか


寒いかもしれない

雪で凍てつくかもしれない

でも

綺麗な星空や 柔らかい雲が浮かぶ青空が見えるかもしれないよ


なにより

自分以外の風とダンスが踊ることができるようになるさ

どれも自分で選べるんだ


辛くなったら また天井を直せばいい



さあ

七色のペンキを貸してあげる。

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ふんわりお握り。

どこまでも も

いつまでも も

嘘だと分かっているから


手のひらに掬いとった

温かな呼吸を

冷やさぬように 逃がさぬように

包み込んだ


まるで

ふんわりお握りを

結ぶように


今くらいは

もう少しは。

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黯の鏡

黯の鏡は

美しく光るものだけを映し出す

それが例え作り出されたものでさえ

いや

作り出したものだからこそ

その鏡に姿を写す


そこに我が身が映し出されれば

私はそれを直視できるだろうか


鏡の下には

腹を空かせた魚たちが泳ぐ

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